修理への取り組み
私たちが修理に携わる文化財の多くは、長い歴史の中で人から人へと大切に守り伝えられてきました。この営みのおかげで私たちは今日文化財に接することができ、日本の文化の豊かさを感じることができます。
守り伝えられる過程では、時に修理が行われました。紙や絹から成る文化財は非常に脆弱であり、周期的な修理もまた守り伝えるなかで必要な行為だったのです。
私たちは今、文化財を安全に修理することを心掛け、また実行できています。
今、安全に修理することが可能であるのは、先人たちの修理のおかげです。
先人たちは修理に際し、天然由来の材料を用い、素晴らしい技術を以って仕立て、文化財として今に伝えてくれています。
周期的な修理を経て、私たちの前にある文化財は、何が安全であるのか自ら示してくれています。
次の修理のために、私たちができること。
技術・材料・道具、変えてはいけないもの、掛け替えのないものを大切な礎としつつ、より良い修理を目指しています。